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ムハマド・ユヌス博士がパリへ!

2006年のノーベル平和賞受賞者でも知られるバングラデシュのグラミン・グループ創始者、ムハマド・ユヌス博士がパリに来られて、講演(正確にはダノンのF.リブーCEOとの対談)を聞く機会に恵まれました。グラミンのプロジェクトは、いわゆるマイクロ・クレジット(無担保低利で少額の資金を多数に貸出す)のスキームで知られており、今やグラミンは、各地の貧困層をターゲットにした他分野にわたるビジネスの担い手としても知られるようになりました。

今、ちょっとした流行言葉になっている感もありますが、ソーシャル・ビジネスという概念の提唱者とも言われています(実際、何をもって提唱者というのかは私にはわからないのですが)。いわゆる社会的課題の解決を目指し、持続可能なビジネスとして収益を上げ、ただし配当は行わず得た収益でもってさらに必要な投資を行い、ビジネスの安定的・継続的(または発展的)に行うということでしょうか。

今回の講演は、ダノン社を中心とするダノン・コミュニティーが主催するソーシャル・ビジネスに関するイベント、Global Communities Meeting(GCM)の一環として行われました。GCMについては、こちら(英語or仏語)もご参照ください。

今回は対談形式ということもあり、ユヌス博士とダノンやHECの関係がどうやって始まったか?という話題からスタートし、堅苦しくない、ユーモアに富んだ軽妙なトークという感じでしょうか。グラミン・ダノンのJVが設立されたのは2006年。そう遠い昔でもないのですが、ソーシャル・ビジネスといっても認知度が低く、マスコミからも冷笑とまでは言ってなかったかもしれないけど、非常に反応は薄かったみたいですね。

そんな中でもユヌス博士が強調していたのは、イノベーションと創造性。ここでいうイノベーションや創造性っていうのは、世界を変えるような大発明という意味ではなく、グラミン銀行のモデルのように、ちょっとしたことでも大きなインパクトを与えられるということ。そういったイノベーションや創造性ってのは無限の力があるんだということをおっしゃってました。

ソーシャル・ビジネスというのは社会的な課題を解決する手段そのものではない。ソーシャル・ビジネスを通して、現場の人々が自分たちで課題を解決するために必要となる創造性を身につけることが大事だというくだりも印象に残りました。あくまで当事者が自分たちで考えて自分たちの課題を解決するための契機として、ビジネスを行っていく主体となっていくことが大切なんでしょうね。

対談中のユヌス博士。パリのサン・ジェルマン界隈のホール。参加者は2,000名強!


そう考えると、いわゆるBoPビジネス云々で、顧客層としていわゆる貧困問題に直面している人々をとらえることも大事でしょうけど、それより地域での雇用創出など、顧客としてより担い手としてビジネスの土俵に乗っていくことが持続性・継続性という観点からはより重要なのかなってのを改めて感じています。個人的には、日本のいわゆる貧困ビジネスじゃないですが、どうしても社会的立場が弱いと言われる人を顧客層に設定した場合、どうしても悪徳なビジネス、顧客を食い物にするビジネスが出てきてしまうという発想を持ってしまいます(それはそれで偏見なんだけど)。彼ら彼女らが自立するという観点からは、雇用創出を中心に、ソーシャル・ビジネスがもたらすソーシャル・インパクト(これもあいまいな概念だけど、ま、雇用の創出もこの中に入っていることは間違いない)に引き続き注目していこうと思います。

ダノンとグラミンのJVはバングラデシュの農村で日常不足がちになる栄養素を補うべくヨーグルトの販売を行っているわけですが、グラミン・レディー(日本でいうところのヤクルト・レディー)による雇用創出効果はかなりクリアに表れていると聞きます(単年で300名程度の雇用増等)。一方、ビジネス単体で見た場合、損益分岐点にはまだ遠く及ばず、数年前のデータでも日本円換算で1,000万か2,000万円程度の赤字です。売り上げが4,000万円程度なので、相当厳しいですね。

じゃあこれをビジネスとは無縁の企業の社会貢献と割り切って見るのも短絡的かと。やはり長期的にその経緯を見守りたいなと個人的には思っています。ちなみに赤字の原因はさまざまなものが考えられているので、一概には言えませんが、大きな要因としては、

1)不運…原材料費である牛乳価格の高騰
2)計画実行段階のミス…ヨーグルトにすべきだったのか
3)計画段階のミス…いろいろなことを盛り込みすぎ(急ぎすぎ=段階的にすべき)

この辺は話出すと長くなるので、詳細は割愛。ただ、ソーシャル・ビジネスの理念を実現するために、貧困層の子どもをターゲットに、現地供給へのこだわり、小規模な工場を各地に建設、地元になじみのないヨーグルトという食材の選択、等々が収益性を落としていることは間違いないですね。

ただこういった苦労や失敗を得て、学びを得ているのも事実。ダノンのような大企業でも、実際に走りながら改良を加えていっているわけで、今後とも動向は追いたいと思っています。

そもそも今回のイベントは、我々HECのソーシャル・ビジネス・認証プログラムの受講者がスタッフとして参加したものなんですね。ユヌス博士の対談など、一般公開のイベントは19時から23時半(!)ですが、その前に9時~18時まで、さまざまなソーシャル・ビジネスの専門家220名が集まるワークショップが開催されており、そのワークショップの各分科会のファシリテーターのサポート役として我々HEC生が貼り付けられた格好です。

魚尾獅自身は、「水へのアクセス」というテーマの分科会で、インフラ関係者へNGOなどの専門家が議論している場に同席していました。時間に限りがあり、消化不足ではありましたが興味深い議論でした(民間事業者がいかに未開のマーケットに入っていって安定的に上水を供給するか等々)。そもそも純然たる水道事業の民営化が進んでいない日本の実情からすると、民間事業者云々ですでにおもしろいのですが…。

ただサポート役としての業務は結構大変で、朝8時集合、分科会中は7時間立ちっぱなしで、ひたすら議論を板書し続けるというもの。すごく消耗しました。技術的な議論はあんまりないとはいえ、キーワードを拾って板書するってことは、簡単に言えばみんなの前で公開のノート取りをやっているようなもんで、スペルも間違えるし、話も交錯するし、なかなか難しかったです。ま、個人的にはファシリテータ-の分科会の運営のやり方とかは勉強になりました。

ここまで働かされたんだからユヌス博士の話ぐらいは聞いて帰ろうと思って、彼の出番を待っていたのですが、彼が登場したのも21時過ぎてから。話を聞いて、カクテルにも出ずにクラスメイトとキャンパスに直帰したけど、着いたら日付は変わっていました…。5時半起きだったので20時間弱の長い一日。でもソーシャル・ビジネス漬けの素敵な1日でした。。。
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