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MBA生活最終科目~地政学

魚尾獅のHEC MBA生活で最後に選択した科目は地政学(Geopolitics)です。この授業は前年のMBA生からも面白いという評判でしたし、担当教官のJeremy Ghezは2学期の必修科目でミクロ経済学を担当していたため、人柄や教え方が良いのは自分でもわかっていたので迷いなく選択しました。

もっともちょっとクセのある好き嫌いのはっきり分かれる教官で(声のトーンが高くて生理的に受けつけないなんてクラスメイトもいた)、必修科目の時は選択の余地はないけど、わざわざ選択科目で受講するぐらいだから、やはりJeremy好きの学生が集まってきていた印象があります。HECのMBAは比較的女性比率が高いことで有名ですが、政治系の科目ということが原因なのか、むさ苦しいぐらい男性比率の高い授業でした。政治ネタが好きな一部のクラスメイトが不必要なぐらい話したがるなど、結果として授業の流れが妨げられることもありましが活気のある楽しいクラスでした。

この科目は、特定の国の政治状況や他国関係を地政学的な観点でアプローチし、ビジネスを行ううえで必要な意思決定をする際に、不確実しかし大きなインパクトをもたらすであろう将来の出来事をどのように分析し対処するのか、そのための方法論を学ぶというものです。地政学という名前ですが、個人的には地理的な状況以上に、文化や宗教といったものも広く取り込んで将来に渡る政治・外交関係におけるポジションを見極めようとする授業といったところでしょうか。中国・サウジアラビア・EU・トルコをケースとして取りあげました。

結論から言うと、本当に面白い授業でした。どういうビジネスであれ、マクロな視点から国のリスクや将来像描くというのは重要なスキルだと思います。我々は決してそういう専門家になろうというわけではないですが、逆に専門家ではなく実務家として最低限必要なアプローチの方法を学ぶことができたと思います。

自分なりにそのアプローチを整理してみました。必ずしもJeremyが言っていたこととは一致していません。私なりにアレンジ加えていますので。

1 分析のスタンスを明確にする。例えば、サウジアラビアを分析する場合、サウジの国王の観点か、サウジへの投資を検討しているビジネス・パーソンの観点かでサウジを分析するスタンスは違うはず…。

2 現在の情勢を把握する。これは定量的なものとそうでないものがありえる。例えば、Powerという観点で現状把握する場合、軍事力や経済力といった、いわゆるハード・パワー、援助など強制力を伴わない支配力であるソフト・パワー等々。誰が力を持っているのか、誰がその力を活用しているのかを知ること。

3 将来に変動しそうな要因のうち、現況のトレンドから定量的に予測できそうなものについては、傾向を把握のうえ、それが好機となるかリスクとなるか、あらかじめ分析しておく。例えばGDPが一定率で成長を続けている場合、将来に変動する可能性はあるとはいえ、それが一定期間続くことは予測できる。これが好機なのかリスクなのかは1で言ったようにその分析のスタンスによる。

4 傾向が把握できない等、より不確実性が高く定量的に分析できないものについては、ワイルドカード・シナリオとして整理。要は防ぎようがないけど何か起きてしまった場合は何かしら対応しないといけないという類いの話。例えば、石油価格の変動や天災など。これも好機となる場合、リスクとなる場合がありうる。

5 これまでの分析を元に将来を予測するためのシナリオ分析を行う。3や4の中から特に影響度の高いもの2つを選び、これを軸にシナリオを作る。例えば、EUだと政治的統合と経済的統合という2軸を選び、それぞれが進行する場合と進まない場合で2×2=4とおりのシナリオを作ることができる。

6 最後に歴史・文化等、これまでに考慮されていない事情で分析に影響を与える要因についても検証する。人類が犯しがちなミス(誰しも誤りを犯すということも)ここに含まれる。


具体的なケースの当てはめがないとわかりにくいと思いますが、要は定量的に計れるものと計れないものを好機かリスクかで分類したうえ、重要度の高いもの2つをピックアップして、2軸でマトリクスを作ってそれぞれ将来を予測するというアプローチです。

もちろんこれらのアプローチは将来の予測そのものの精度を高めるわけではありません。しかし、こういったアプローチを知ることで、予測にあたってどういった要因を参照にしたか、その要因をどう捉えたかがクリアになり、予測が当たる、当たらないに関わらず、刻々と状況が変化する政治・外交の舞台を一つの物差しで計り続けるという意味で有意義なだけでなく、第三者に説明する際のツールとしても活用できると思います。

この授業に限ったことはありませんが、ある程度、モデルとかスキームというのは自分の考えを整理するうえでも、伝えるうえでも非常に有益ということは、今回のMBA生活を通じて何度も痛感しました。人に説明するスキルという意味でも見逃せないポイントだと魚尾獅は思います。
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theme : MBA
genre : 学校・教育

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Merlion(魚尾獅)

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SINCE APRIL 2010

第4部 アフリカの奇跡(2014年12月~)

第3部 フランス留学生活(2011年8月~2012年12月)

第2部 留学準備中(2010年10月~2011年7月)

第1部 "Business School"へ挑戦(2010年4月~2010年9月)

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