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ストラスブールのクリスマス・マーケット

帰国準備で慌ただしい中、今回のフランス生活最後の旅行先はフランス東部、ドイツとの国境近いストラスブールへクラスメイトと出かけました。車で片道5時間弱。初日は大雨で最悪の天気でしたが、ここ数週間は冷え込むこともなく(どうも日本の方がはるかに寒かったみたい)、過ごしやすい旅でした。

ストラスブールも含めたアルザス地方はクリスマス・ツリーの発祥の地らしく、クリスマス・マーケットで非常に有名な地域です。混雑していましたが雰囲気は最高に良かったです。個人的にはクリスマス・マーケットで何か買いたいものがあるかと言われたら、別に何もないのですが、雰囲気を楽しみつつ、お店でちょっとした料理をつまんでホットワインを飲みながらブラブラするのが楽しいです。場所も雰囲気も違うけど、わかる人にしかわからないかもしれないけど、伊勢のおかげ横丁と同じような楽しみ方ですね。

日本と欧州ではクリスマスの過ごし方は相当違うと思いますが(欧州のクリスマスは日本の新年に近い気がします。家族とともにゆっくり休むイメージ。)、日本でもクリスマス・マーケットはもっと流行ってもいいような気がします。似たような企画も増えてきているようですが、ハローウィン祝うよりも経済効果が高そうな気もします(根拠はないけどね)。温泉やスキーを除くと、なかなか観光の目玉を作りにくい冬だけに、クリスマス・マーケットは定着すればいい起爆剤になるのではないかという気もします(特に地場の食材や料理を活かしたりすれば)。

アルザスといえば、世界史の授業でも習ったようにドイツの統治下に置かれていた時期もあり、ドイツとの関わりが強い地域です。料理でも豚を食べる機会が本当に多かった!フランス料理でも豚は食べますが、牛、鶏、子羊、鴨といった肉類よりは頻度が落ちる気がします。でもストラスブールでは、ソーセージ類も含めて豚三昧でした。ビールに合う料理も多いですし。すっきりでも甘めの白中心のアルザス・ワインも捨てがたいですが、ビールもなかなかのもの。時間はなかったので実現しなかったけどビール工場見学も捨てがたい観光のオプション。車旅行だったおかげでコルマールなど近隣の町のクリスマス・マーケット巡りも決行できたので、充実度の高い旅でした。

最終的に今回のフランス滞在で思った以上にフランス国内旅行ができました(その分欧州内の旅行は控えめだったけど)。旅行は、今しかできない旅を最優先というのが魚尾獅のポリシーなので、友人が住んでいる、車で行く等々、今しかできないかどうかを常に判断基準にしていたので、イタリア、ドイツ、北欧など観光地としては魅力的だけど、ひょっとしたら将来いつか行けるかも的なところは手が出せませんでした。ま、一つの優先付けの方法としては十分機能したかなって思っています。

ストラスブールの大聖堂。街がこぢんまりしているので、スケールの大きさが突出していました。
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そして日曜日だったのでミサも見ることができました。
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アルザス名物のシュークルート。見た目以上にボリュームたっぷりで食べきれませんでした。ビールとの相性は抜群。
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そのビール。やはりクローネンブルグです。
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天気はイマイチだがストラスブールっぽい川辺の風景。
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昼でも楽しいマーケットですが、夜の方が雰囲気は確実にグレードアップします。
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これはコルマールの1コマ。
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最後の最後で念願のアルザス地方を訪れることができて大満足の旅。スケジュールの都合でクラスメイトたちと途中で別れたのですが、今までMBA生活を共にしてきた仲間との別れでもあったので一抹の、いやかなりの寂しさがありました。また卒業式で会おうと固く誓って、ストラスブールを後にしました。まだまだ会う機会あるとわかっていても、ちょっと切ない気分でした。

theme : フランス
genre : 海外情報

帰国に向けた準備諸々

無事授業も終わり、提出課題は残っているとはいえ、MBAプログラム自体は実質的に終了しました。来年1月から日本で働かなくちゃいけない魚尾獅にとっては、これからは引越準備を中心にいろいろな雑務に追われることになります。

寮の退去は年末の12月31日。カレンダーどおりにオフィスは仕事しているので、この日でも問題なく退去時の立ち会いは可能なようです。フランスの慣例にならい、解約の意思表示を書面で行いました。私の部屋から寮のオフィスまで距離にして200メートルぐらいか。3分で済みそうな用件とはいえ、証拠を残すことが双方にとって重要なこの国では書留郵便での通知が一般的です。

寮内の生活用品については、幸運なことに来年1月に入学予定の日本人新入生に譲り渡すことになりました。いろんな人とやりとりすることなく、ほぼ一括で購入してもらえるので大変助かりました。魚尾獅がキャンパス・ビジットで対応した方、かつ同じ予備校というご縁もあり、双方にとっていい話になりました。

一方、これまで本ブログで何度も登場した愛車についても、今年の9月入学の日本人学生に譲渡することで話がまとまりました。当初は買い手が見つからないかも…と思った時期もあったのでホッとすると同時に、愛車が引き続きHECのキャンパスで活躍するのかと思うと何気にうれしかったりもします。来年6月の卒業式でまたキャンパスを訪れるときに感動の?再会ができるかもしれないし。車の購入は、今回のフランス生活で下したいろいろな決断のなかでもベストの1つ。生活は一変したし、クラスメイトとつるんで何かをしたりとか、本当に大活躍してくれました。最初は購入で乗り気でなかっただけに、この投資は本当に効果的でした。

車を売るときは、売主として書類の準備が必要になりますが、昨年購入した際に手続を調べていたこともあり、特に困難はありません。フォームをwebサイトで入手して記入、コントロール・テクニークと呼ばれる車検に出して証明書を取得して、最後に現在の登録証に売り渡し済の旨記入し、書類の角を切り落とせば準備完了。それほど難しくありません。

ちょっと面倒そうなのが、携帯電話の解約手続。店頭でできないため、カスタマーセンターに電話して、海外転出のため契約期間内だが解約せざるを得ない旨、説明する必要があります。最終的に海外転出を証明する書類が必要なので、結局、書留でまた通知を送ることに。学校で必要種類は発行してくれるので、それを添えて郵送します。文面はweb上の情報等を参考に適当に作りました。ただ処理に時間がかかるという説もあり、このフランス滞在中に解約手続が完了するかどうかは全くもって不明。フランスの手続の不確かさはいろいろ体験しているだけにかなり不安はあります。

東京にベースがない魚尾獅は、並行して東京での新居も探さなければなりません。帰国と同時に物件回りができるようあらかじめ不動産屋と連絡を取って、いくつかピックアップしてもらっている状況。希望のエリアに住もうと思うと、当然ながら非常に高額です。関西と大違いなのは仕方ないのだけど。

荷物については、できるだけ減らそうと思って、捨てられるものはできるだけ書分しようとしているところ。努力の甲斐あって、概ね300ユーロから400ユーロで日本まで荷物を送れる見込み。フランスから日本へ送るときのコツとしては郵便局(La Poste)のメニューを上手く組み合わせることです。書籍や書類は5kg以内だと1箱15ユーロ弱で送れます。5kgなんてすぐに達してしまいますが(教科書によっては1冊で2kg以上ってのがあった)、面倒でも小分けすると労力はかかりますが総額的にはかなり安価になります。次に急ぐものについてはコリッシモという小包サービスを利用するとオトクです。これも最大で7kgと制約は大きいですが、1週間程度で日本に着きます。細かい額は忘れましたが、45ユーロ前後だったと思います。あとはゆっくり船便で衣類等を大きな箱に詰めて出しますが、時間がかかる割に結構高く、30kgまでで概ね150~180ユーロぐらいかかります。面倒ですが、うまく組み合わせると安く済むと思います。スーツケースで超過料金払うのとどっちが得かも考えつつ、最適な組み合わせを探してみるといいでしょう。

そもそも郵便局が信用できないと思う場合(評判悪いのは事実)、日系の引越業者を使う手もあります。梱包等もやってくれるという意味では、時間をお金で買うということで時間を効率的に使うというのも1つの方法かもしれませんね。何かと時間がかかるので、できることから始めることが非常に大切。かく言う魚尾獅もこれまでの経験上、必ず最後にバタバタするのは明らかなのですが…。

theme : MBA
genre : 学校・教育

今回のフランス生活、最後のコンサート&フットボール

今回のフランス生活で、旅行以外の趣味という点で時間もお金も注ぎ込んだということでは、コンサートとフットボールが双璧だったと思います。本ブログでも何度も登場しましたし、それ以上に聴きに行ったり見に行ったりしていました。ちょうどこの土日でコンサート2件とパリ・サンジェルマン(PSG)の年内ホーム最終戦を一気に堪能してきましたので、まとめてご報告。

コンサートは以前記事にした(こちら)、ロンドン交響楽団によるブラームスとシマノフスキの交響曲チクルスの後半として3番と4番が取りあげられました。初日は両交響曲第3番とハイドンの主題による変奏曲。オープニングからブラ3と重たい出だしでしたが、情感豊かで魅力的な演奏。前回の1番・2番より聴き応えがありました。ブラ3は元打楽器奏者としては、他の交響曲ほど楽しくないよねってつい思ってしまうのですが、色っぽい弦楽器と妙に権威のある?金管楽器群の響きで満足させてもらいました。ハイドン・ヴァリエーションの方は特に説得力もなく、さらっと終了。好きな曲なのでちょっと流された感が残念。

シマノフスキの両交響曲はちゃんと聴いたのは初めてですが、合唱付きの3番、実質ピアノ協奏曲の4番ともにきっちり聞き直したい作品。演奏をコメントできるほど曲を理解していないので(プログラム・ノートが仏語なのでどうしても理解できないのです)、しっかり解説を探して読んでみようと思います。

ブラ4。なぜか今回のフランス滞在中に何度も聴く機会があった曲。この曲の管楽器は他の彼の交響曲と比べてもソリスティックで本当に素敵です。出番の限られているトロンボーンに今回はなぜか惹かれました。2楽章の木管+ホルンも印象に残りました。この曲は聴くたびに何とも言えない寒々しさというか人生の悲哀を感じるのですが、帰国間近で感傷的になっていることもあり、結構心に響く演奏会でした。

そんな感傷を抱えたまま、スタジアムに移動。ある意味180度違う世界と言ってもいい、Parc des PrincesでPSGとオリンピック・リヨン(OL)の首位決戦を観戦。PSGは勝てば得失点差で久しぶりの首位返り咲きという重要な試合。結果は1-0でPSGの勝利。最終スコア以上にPSGが力で押し切ったゲーム展開でした。

この試合で興味深かったのは、OLが完全にPSG戦用と思われる戦術を採ってきたこと。OLは3バックを採用し中盤を厚くし、守備時にはほぼ5バックにしてサイドからの崩しを防ぐ作戦でした。普段OLの試合を見ているわけではないですが、知る限り、このようなフォーメーションは取っていないはず(おそらく定期的に3バックを採用しているのはボルドーぐらいだと思う)。前半はかなりこの作戦が的中し、PSGも崩しに苦労していたように見えました。それだけに前半終了間際にカウンターで先制点(というか決勝点)を取れたのはラッキー。電光石火のカウンター(T.シウバ→ズラタンだったかな)で最後は攻守で大活躍していたマテュイディのヘッドという珍しいゴール。中盤で効いていたとはいえ、まさかゴールを挙げるとは。日頃の頑張りに幸運の女神が微笑んだようなゴールでした。

後半に入ってもOLはギアが上がることはなく、ほとんど攻撃面では点を取るという意思よりは失点したくない意思の方が強かったようです。一方、PSGは両翼の中盤を中に入れてボックス型の4-4-2のような修正を施したので、そこそこ攻撃で良い場面は作っていました。このまま試合終了。CLのポルト戦のような激しい戦いというわけではないですが、勝利という目標は無事達成し、首位に返り咲きました。おかげさまで、魚尾獅のParc des Princesでの観戦歴は10試合以上になりますが、2シーズンを跨いで連勝中で引き分けすらありません。今シーズンもホームで既に2敗していますが、魚尾獅がスタジアムに行かなかった時に発生しているので、やはり自分はチームに必要な存在だと勝手に自称しています。

帰国後は、欧州のオケもフットボールもテレビやオンラインがソースとなり、ライブを味わえないのは本当に残念です。でもせっかくなので、日本に戻っても、日本のオケやJリーグをしっかり観戦して、この大切な趣味を継続していこうと思っています。

theme : フランス
genre : 海外情報

MBA生活最終科目~地政学

魚尾獅のHEC MBA生活で最後に選択した科目は地政学(Geopolitics)です。この授業は前年のMBA生からも面白いという評判でしたし、担当教官のJeremy Ghezは2学期の必修科目でミクロ経済学を担当していたため、人柄や教え方が良いのは自分でもわかっていたので迷いなく選択しました。

もっともちょっとクセのある好き嫌いのはっきり分かれる教官で(声のトーンが高くて生理的に受けつけないなんてクラスメイトもいた)、必修科目の時は選択の余地はないけど、わざわざ選択科目で受講するぐらいだから、やはりJeremy好きの学生が集まってきていた印象があります。HECのMBAは比較的女性比率が高いことで有名ですが、政治系の科目ということが原因なのか、むさ苦しいぐらい男性比率の高い授業でした。政治ネタが好きな一部のクラスメイトが不必要なぐらい話したがるなど、結果として授業の流れが妨げられることもありましが活気のある楽しいクラスでした。

この科目は、特定の国の政治状況や他国関係を地政学的な観点でアプローチし、ビジネスを行ううえで必要な意思決定をする際に、不確実しかし大きなインパクトをもたらすであろう将来の出来事をどのように分析し対処するのか、そのための方法論を学ぶというものです。地政学という名前ですが、個人的には地理的な状況以上に、文化や宗教といったものも広く取り込んで将来に渡る政治・外交関係におけるポジションを見極めようとする授業といったところでしょうか。中国・サウジアラビア・EU・トルコをケースとして取りあげました。

結論から言うと、本当に面白い授業でした。どういうビジネスであれ、マクロな視点から国のリスクや将来像描くというのは重要なスキルだと思います。我々は決してそういう専門家になろうというわけではないですが、逆に専門家ではなく実務家として最低限必要なアプローチの方法を学ぶことができたと思います。

自分なりにそのアプローチを整理してみました。必ずしもJeremyが言っていたこととは一致していません。私なりにアレンジ加えていますので。

1 分析のスタンスを明確にする。例えば、サウジアラビアを分析する場合、サウジの国王の観点か、サウジへの投資を検討しているビジネス・パーソンの観点かでサウジを分析するスタンスは違うはず…。

2 現在の情勢を把握する。これは定量的なものとそうでないものがありえる。例えば、Powerという観点で現状把握する場合、軍事力や経済力といった、いわゆるハード・パワー、援助など強制力を伴わない支配力であるソフト・パワー等々。誰が力を持っているのか、誰がその力を活用しているのかを知ること。

3 将来に変動しそうな要因のうち、現況のトレンドから定量的に予測できそうなものについては、傾向を把握のうえ、それが好機となるかリスクとなるか、あらかじめ分析しておく。例えばGDPが一定率で成長を続けている場合、将来に変動する可能性はあるとはいえ、それが一定期間続くことは予測できる。これが好機なのかリスクなのかは1で言ったようにその分析のスタンスによる。

4 傾向が把握できない等、より不確実性が高く定量的に分析できないものについては、ワイルドカード・シナリオとして整理。要は防ぎようがないけど何か起きてしまった場合は何かしら対応しないといけないという類いの話。例えば、石油価格の変動や天災など。これも好機となる場合、リスクとなる場合がありうる。

5 これまでの分析を元に将来を予測するためのシナリオ分析を行う。3や4の中から特に影響度の高いもの2つを選び、これを軸にシナリオを作る。例えば、EUだと政治的統合と経済的統合という2軸を選び、それぞれが進行する場合と進まない場合で2×2=4とおりのシナリオを作ることができる。

6 最後に歴史・文化等、これまでに考慮されていない事情で分析に影響を与える要因についても検証する。人類が犯しがちなミス(誰しも誤りを犯すということも)ここに含まれる。


具体的なケースの当てはめがないとわかりにくいと思いますが、要は定量的に計れるものと計れないものを好機かリスクかで分類したうえ、重要度の高いもの2つをピックアップして、2軸でマトリクスを作ってそれぞれ将来を予測するというアプローチです。

もちろんこれらのアプローチは将来の予測そのものの精度を高めるわけではありません。しかし、こういったアプローチを知ることで、予測にあたってどういった要因を参照にしたか、その要因をどう捉えたかがクリアになり、予測が当たる、当たらないに関わらず、刻々と状況が変化する政治・外交の舞台を一つの物差しで計り続けるという意味で有意義なだけでなく、第三者に説明する際のツールとしても活用できると思います。

この授業に限ったことはありませんが、ある程度、モデルとかスキームというのは自分の考えを整理するうえでも、伝えるうえでも非常に有益ということは、今回のMBA生活を通じて何度も痛感しました。人に説明するスキルという意味でも見逃せないポイントだと魚尾獅は思います。

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MBAプログラムの総括にふさわしい科目~企業戦略

HEC MBAの最終学期では、専攻というほどの大げさな位置づけではないですが、4つのメインとなる科目から1つ選んで特定の分野を深く学ぶという機会があります。魚尾獅の代では(次年度以降は内容が変わるようですが)、企業戦略、ファイナンス、マーケティング、起業という選択肢があり、魚尾獅は企業戦略を選択しました。人気のコースのため、60名強というHECにしては大規模なクラスになりましたが、非常に充実した楽しい科目でした。

そもそもなぜ企業戦略を選んだのかということですが、マーケティングやファイナンスといった特定の分野というよりも、ビジネスの骨太の方針である戦略の方が、川上から川下まで広くビジネスを俯瞰できると思い、魚尾獅のようなビジネスそのものの経験がなく、かつ今後も自らビジネスの担い手として商売をする予定がない人間には、より大きな視点で成功しているビジネスの戦略を学び、地域の経済活性化やビジネスを通じた社会問題の解決といった自身の関心に応用できるのでは、と考えたからです。起業もビジネス・プラン、資金調達から実際のビジネスまで汎用性の広い面白そうな科目だなと思ったのですが、選択時期の頃に行われた科目ごとのプレゼンテーションの際の印象があまり良くなく(起業に興味がない学生は来なくていいみたいなことを言っていた。言っている内容の良し悪しというより学生に対する接し方というか姿勢に疑問を持った)、やはり戦略しかないなという一択でした。

担当教官のはHECで教鞭を取って2年目。実年齢は知りませんが、かなり若い教官です。HECの前はNYU(ニューヨーク大学)のビジネス・スクールで企業戦略を担当していました。非常に授業は組織立って系統化されており、コアのメッセージが常にクリアでわかりやすかったです。またこの教授の特筆すべきところは、キャリアとか就職活動についても学生のサポートを強く意識していて、授業でも戦略コンサルによるゲスト・スピーカー・セッションのほか、授業外でもコンサル面接用のケース集の作成、面接時のアドバイス等、キャリア・センター的な相談も乗ってくれるようです。魚尾獅自身は次の就職が決まっていたのでそういった件でコンタクトすることはなかったですが、いろんな意味で非常に熱心な好感の持てる教官だったと思います。実際、学生が選ぶBest Professor Awardで選択科目教授陣の中で2位につけていたので、広く学生から支持されていたことがうかがえます。

授業の正式名称を無理矢理日本語にすると「動的環境における戦略(Strategy in Dynamic Environment)」となるでしょうか。マイケル・ポーターの5フォースに代表される競争の静的側面における分析に対し、動的な側面として、ケースをもとに最新理論を学ぶというもの。価値の創造(Value Innovation)、クリティカル・マス(Critical Mass)、スピード、破壊的な技術といった超競争的なマーケット環境における新しい戦略とともに、マーケット外での必要な戦略として、各種活動家・団体(環境保護活動等)やメディアとの対応、将来の予測できないような不確実な環境下における戦略等も扱いました。内容的にはビジネスだけに関わらず公的機関や非営利の活動でも応用が利くような興味深いものでした。

結果として最終学期にこの科目を受講したことで、先に述べたようにビジネス全体、マーケティング、ファイナンス、オペレーション、組織行動、交渉といった幅広の分野の復習にもなりました。まさにMBA生活の総決算にふさわしい科目だったと思います。

あと個々の理論やフレームワークとは別にこの授業を通して個人的に学んだポイントの1つは、定量的な分析において前提を明確にすることで複雑な入り組んだ事例にでもできるだけ単純化して明快に説明することが大切ということです。定量的な分析は戦略に限らず議論の客観性を担保するという意味でも非常に重要です。とにかく先行きのわからないようなケースでシナリオ別の議論する際、少々大胆であっても明確な前提を仮説として設けたうえで、とにかくシンプルに議論することは大事だと痛感しました。数字が合っているか合っていないかということよりも、戦略の方向性を検証するうえで、前提をクリアにして大まかであっても比較可能な状態を作ることは意思決定では重要なのだと。マーケットの規模、成長率、利益率何でもいいですが、利用可能な情報(MBAの授業だとケースに載っている情報ということですが)をもとに大きな方向性を数字で明確化する訓練は今後も自分のキャリアで必要だと感じましたね。

莫大な投資を必要とする衛星電話のビジネスのケースをシナリオ・メイキングに基づく戦略選択というテーマで取り組みましたが、いろんな数字が出てくる反面、必要な数字は手に入らない、将来の予測も立たない、みたいな環境で、こういう前提だと黒字化する、こうだと無理といった骨太のストーリーを作るのは理屈としてわかっていてもかなり難しかったわけです。ケースのように事実関係が整理されていてもこういうことですから、実際はとんでもなく大変だってこともよくわかります。でも難しいケースでもシンプルでないと自分で意思決定するのはもちろん、自分より上位に意思決定者がいる場合はなおさらシンプルじゃないと本質が伝わりません。難しいことでもよりシンプルに説明する技術は自分もこれから磨きあげたいスキルの1つです。

このこと自体は授業で学ぶことの本質ではなかったのですが(むしろ他のクラスメイトからは数字の分析が多すぎるみたいな批判的な意見もあったらしい)、やはり地に足着いた議論をするうえで、数字は無視できないですよね。数字が一人歩きするのは嫌ですが、ちゃんと前提を設けてとりあえず数字で比べてみようという姿勢は大切にしたいなと思っています。

マーケティングが有名なHEC MBAですが、戦略系の授業も大変充実しています。ぜひぜひご注目ください!

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プロフィール

Merlion(魚尾獅)

Author:Merlion(魚尾獅)
SINCE APRIL 2010

第4部 アフリカの奇跡(2014年12月~)

第3部 フランス留学生活(2011年8月~2012年12月)

第2部 留学準備中(2010年10月~2011年7月)

第1部 "Business School"へ挑戦(2010年4月~2010年9月)

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